会社設立は合同会社か株式会社か 1月2023-税理士-

合同会社の設立が増えている

会社法により創設された新しい会社類型である“合同会社”は、ここ数年設立件数が急増し、2021年「全国新設法人動向」調査(東京商工リサーチ2022.5)によれば、新設法人の4社に1社を占めるまでになっています。

合同会社と株式会社は何が違う?

両者とも法人格をもち、債権者との関係は有限責任制であることは共通です。税法上の取扱いも、法人税法の適用を受けることは同じであり、役員給与に係る税務も、細かい部分では違いはありますが共通の扱いが多くなっています。また法人であるため、社会保険は強制加入となることも同様です。では、相違点は何なのでしょうか?

〈主な相違点〉

 

合同会社

株式会社

設立費用

10万円程度

30万円程度

業務執行者

社員(出資者)に限られる

株主(出資者)でなくてもよい

決算公告義務

なし

あり

重要事項決定

原則全員一致

多数決

配当額の基準

貢献度などによることも可だが

経済合理性ないと課税リスク有

出資割合

信頼度のイメージ

低~中

法人を設立する時どちらを選ぶべきか

法人を設立するということは前提として、個人事業でかなり利益が出てきたor当初からほぼ確実にかなりの利益が見込めるor規制等のため法人でしか営業できないなどの状況があると思われます。そのような場合に、どちらかを選ぶにあたりどのように考えればよいのでしょうか?

①外部から要請があるなら株式会社

株式会社でなければ免許を取得できない、主要な取引先から株式会社であることを要求されるなどの制約があるなら、株式会社にせざるをえないかもしれません。

②資金が不安な場合は株式会社

経営手腕はあるが資金力に不安があり、他者からの出資を募りたいor銀行借入したいという場合は、株式会社の方が安全かもしれません。(合同会社では出資者しか業務執行者になれず、また銀行借入の場面では単なるイメージであっても不利になるかもしれないため。)

③法人形態ならOKであれば合同会社

資金手当ての必要はなく、自分(たち)の資金と手腕で事業を継続して行くのであれば、合同会社にすることでコストと手間を削減できる可能性があります。

実際にはケースバイケースなので事前相談検討を

以上はあくまでも小規模事業の法人成りを想定した大まかな考え方であり、実際には個々に事情が異なりケースバイケースです。よって設立に際しては事前に複数の専門家(税理士・司法書士など)に相談することをお勧めします。



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