半年に一度の源泉税の納付期限は7月10日 7月2023-税理士-
源泉徴収とは
法人や個人事業主が給与・報酬などを支払うときには、所定の方法で給与等から本人(従業員など)の所得税を天引きし国へ納付することとなっています。これがいわゆる「源泉徴収」と言われる制度で、給与などを支払う側に義務があります。
納付期限は原則翌月10日だが
会社等が天引きした所得税は原則、翌月10日までに税務署へ納付しなければなりません。
しかし小規模な会社等であれば、事前に届出をすることで年に12回の納付ではなく年2回(7月と翌年1月)の納付で済ませることができます。それが「源泉所得税の納期の特例」と言われるものです。
小規模とは何か?と言うと“常時使用する人数が10人未満”の場合のことです。よって、仮に働く人数が徐々に増えていき10人で安定したならば、それ以降は特例は使えず、毎月納付する必要があります。
年2回の特例が使える場合、今回は令和5年7月10日(月)が納付期限です。令和5年1月1日~6月30日に支給した給与等から源泉徴収した所得税を、7月10日までに納付する必要があります。
年調超過額の精算失念に注意
去年(令和4年分)の年末調整で、税務署に対して納め過ぎになっている税額(いわゆる年調超過額)が残っている場合は注意が必要です。
残っている場合は、通常は前回(令和4年7月~12月分)の納付書の摘要欄に「年調超過額×××円」などと記入し管理されているはずです。不明な場合は、会計データの預かり金勘定(科目)の令和5年1月納付後の残高がマイナスになっているなどから推測することもできます。
年調超過額が残っている場合は、今回の源泉徴収税額から納め過ぎの税額を引いた金額だけを納付します。それにより、去年の超過額を精算することができます。
源泉税額ゼロのときはどうする?
仮に、給与等の支払はあったが、全員、源泉税額がゼロだった場合、何もしなくてよいのでしょうか?
答えはNoです。この場合は、納付は不要(というかゼロなので納付すべき金額は無い)ですが、納付書へ給与等の額面や支給人数、源泉税額(ゼロ)等を記入し、それを税務署へ提出する必要があります。
納付が遅れてしまったら
忙しくて失念していたり、結構な金額ですぐには納付できないなどで、期限までに納付できなかったらどうなるのでしょうか?
源泉税納付遅れのペナルティは、不納付加算税と延滞税です。
不納付加算税は税額の10%です。ただし初めての滞納で期限から1ヶ月以内に納付したなどの場合にはかかりません。また、遅れても自主的に納付すれば5%に軽減されます。
延滞税は、遅れた期間に応じてかかる遅延利息のようなものです。
気付いたら早めに納付するのが、追加負担を最小限に抑えるベストな方法です。
国外居住親族に係る扶養控除の改正
あまり該当は無いかもしれませんが、令和5年分の所得税から、非居住者を扶養親族とするための要件が厳しくなりました(令和2年度改正)。簡単に言うと、30才~69才の国外居住親族については、留学生・障害者などの場合しか扶養には入れないこととなりました。
詳細は多少複雑なので、該当者がいる場合(外国にいる親族を扶養に入れている従業員などがいる場合)は税理士等へ確認することをお勧めします。
コメント