デジタル給与 2月2024-社労士-

給与のデジタル払い事業

令和5年4月に解禁された給与のデジタル払い。

まずはその事業へ参入しようとする資金移動業者(○○ペイなど)が厚生労働省へ指定申請を行い、審査を経て、基準を満たす業者に指定承認が出されることとなっています。
承認が出れば、会社等は業者を選び、実際に給与を○○ペイ払いすることが可能となります。

承認は遅滞

令和6年2月現在、PayPay、au、楽天、Airペイが申請しており、審査中との事。

しかし承認は、当初は令和5年夏頃と言われていましたが、基準が厳しいことなどから審査に時間がかかっており、遅れています(まだされていません)。

デジタル給与の実務

というわけで、まだ先の話ではありますが、では、業者が承認を受け、○○ペイで給与を支払うことがOKとなり、会社等が導入することとした場合、実務にはどのような影響があるのでしょうか?

従業員にとっては、それまで月1回の銀行振込だった給与が、たとえば週1回電子マネーで受取れるという事になれば便利かもしれません。
一方、会社等にとってはどうでしょうか。
メリットとしては、振込手数料の削減、企業イメージの向上、人材確保へ結びつくなどが想定されます。
が、デメリットとしてかなりの事務負担増が予想されます。

まず、給与を電子マネーで支払うことにつき、就業規則の整備が必要になります。
そして従業員に対して制度の内容を説明してデジタル払いの選択肢を示し、各人別の管理を行うこととなります。
月1回以外の分割払いを行う場合は、社会保険料は変わらないとしても、源泉徴収税額表の適用区分が変わるケースも考えられます。
つまり事務作業が非常に煩雑になると思われます。

導入前には相談を

イメージとしては“斬新でスマートな方法”と言う感じなのですが、実務においては会社等の負担増大が懸念されます。

上記以外にも、分割払い時の支払金額についてなど、労務上及び税務上、注意すべき点がいくつもあります。
実際に導入を検討する場合には、社労士(できれば兼税理士)へ相談する事をお勧めします。





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