ふるさと納税と定額減税 9月2024-税理士-
今年も残り4ヶ月
令和6年もすでに3分の2が経過しました。
残り4ヶ月となった今は、そろそろふるさと納税枠を意識する時期かもしれません。
現在、定額減税により所得税・住民税が軽減されていますが、さてこの定額減税は、いわゆる「ふるさと納税枠」へ影響するのでしょうか?
レアケースを除き影響しない
定額減税は原則、令和6年分のふるさと納税枠(2,000円のみの負担で寄附とほぼ同額の節税ができる上限額)には影響しません。
なぜなら、所得税については、定額減税は納付税額の軽減or給付として実現するもので、税額計算とは別のものだからです。
そして住民税については、定額減税は令和6年度分住民税(令和5年分の所得に対するもの)からの控除として、現在行われているところです。
定額減税は1年限りなので、今年(令和6年)の寄附枠の計算のもととなる令和7年度分住民税(令和6年分の所得に対するもの)が定額減税によって減ることは原則ありません(もう減税は前年度に終了している)。
枠を計算するもととなる住民税が減らないのであれば、枠も減らないという訳です。
去年(令和5年)の寄附については、寄附者に不利益がないよう地方税法の改正があり、ふるさと納税枠と定額減税の取扱いについて特例が設けられていました。
今年(令和6年)の寄附については、その特例はありませんが、そもそも定額減税の影響がレアケースを除きありえないので特例を設ける必要もなく、結果、今後のふるさと納税枠には定額減税は影響しないこととなります。
レアケースとは
本人の合計所得金額が1,000万円超で配偶者の合計所得金額が48万円以下の者(控除対象配偶者以外の同一生計配偶者)については、配偶者分の住民税の定額減税1万円は令和7年度分の住民税から控除されることとなっています。
このケースでは少しだけ、ふるさと納税枠へ定額減税の影響が生じることとなります。該当者が“枠ギリギリまで寄附したい”場合は、4千円程度ひかえめにするとよいかもしれません。
高額所得者も影響なし
合計所得金額1,805万円超(給与収入2,000万円超など)の高額所得者は、所得制限により定額減税制度の対象外です。
給与所得者であれば、現在は毎月の給与において定額減税がされているはずですが、最終的には対象外(所得税・住民税とも定額減税なし)となります。
よって、高額所得者がふるさと納税枠を計算する時、定額減税の影響はそもそも考慮不要です。
ふるさと納税サイトで概算枠がわかる
自分のふるさと納税枠(寄附すべき上限額)を知りたいとき、以前はサイト内にはサラリーマン(給与所得者)向けの簡易なシミュレーションしか見かけなかったように思いますが、現在ではサイトによっては個人事業者向けのシミュレーションも準備されていたりします。
令和5年と6年の収入等に大きな変動が無いことが前提ですが、令和5年分の給与所得の源泉徴収票や所得税の確定申告書(控)が手元に保管してあれば、それを見ながら入力して概算枠を出せるように丁寧な説明もついているなど、実用に耐えるものも見られます。
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