“自分で確定申告”のツボ 3月2025-税理士-

自宅からパソコン・スマホで簡単にe-Tax?

広報などを見ていると、これまで税務署等の確定申告会場に出向いたり、自宅で書面を作成して持参or郵送提出したりしていたものを、そのようなしんどい事をしなくても、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から誰でも自宅からのe-Taxで(ワンクリックorタップ送信で)提出できるようになっている!?と思わされます。

けれども実際に自宅から、たとえばパソコンで確定申告しようとすると・・・???そもそも入口がわからなかったり、その他モロモロのハードルがあったりして、なかなかうまくいかなかった・・という方もあるかもしれません。
現実に、今回、税務署の確定申告会場で申告相談・e-Tax送信などを担当しましたが、半数くらいの方が「自分でパソコンでやろうとしたが、やり方がわからず、あきらめてここへ来た」との事でした。

一体、何がハードルになっているのでしょうか?
そしてどうすれば簡単にe-Taxできるのでしょうか?

雑多な準備が必要

まず、パソコン・スマホからe-Taxするには、一定の準備が求められます。
たとえば今、パソコンで申告書を作成しe-Taxで提出しようとする場合、パソコン以外に
マイナンバーカード
・マイナンバーカード作成時に設定した「利用者証明用電子証明書用」パスワード(数字4桁)
スマホ
マイナポータルアプリ(スマホ等へインストール)
あたりは、あることが前提で、作成画面が進んでいきます。

これらの準備が難しいor負担な場合は、作成コーナーは申告書を作るためにだけ使い、書面提出とするのもありかと思われます。

マイナポータル連携で入力不要?

e-Taxの利点の一つとしてよく挙げられる“マイナポータル連携”ですが、実際のところ、使い勝手はどうなのでしょうか?

現在、連携での省力化は、部分的には可能かもしれませんが、ハンパな情報(医療費や生命保険料、ふるさと納税などで情報提供側がe-Taxに対応しているものだけ)を取り込めるとしても、そのための準備(マイナポータルでの連携設定など)のしかたがわかりにくく、今のところ、そこまでして連携すべきものではないかもしれません。
連携するかを画面の途中で質問されますが「しない」を選択した方が時間の節約になるかもしれません(「する」を選択すると、マイナポータルと国税庁のサイトをぐるぐる回って、なかなか申告書作成画面へ辿り着けないこともあるため)。

パソコン画面がスマホ風に

さて、e-Taxでも書面提出でも、パソコンでもスマホでも、とにかく国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作るとします。
その場合、前年とちがっているのはパソコンの入力画面です。スマホ画面風に変更されており、一般の方にとっては、わかりやすくなったのかもしれません。

定額減税は自動反映

今回限りの所得税3万円/人の定額減税。
申告書を手書きするなら第一表の右側「令和6年分特別税額控除」欄へ人数を記載し3万円×人数の金額を記入しなければなりませんが、作成コーナーでは、配偶者や扶養親族などの情報を個別入力することで自動反映されます。
つまり定額減税については自分で人数や金額の入力はしなくて大丈夫ということです。

副業などで使えるかもしれない特例

昨今、増えている副業。
複数の勤務先があっても、すべて会社等で雇われて給与をもらっているなら関係ない話ですが、副業先などからの収入が給与でなく報酬(具体的にはもらった明細が「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」である場合)で、要件に該当すれば“家内労働者等の必要経費の特例”により何がしかの経費を計上できる可能性があります。

「家内労働者?ちがうしー」と思うかもしれませんが、よく見ると“家内労働者「等」・・”となっており、範囲は内職に限らず広いものとなっています。
詳細は下記ブログをどうぞ。

所得控除の変動あるかも

たとえば高齢の女性の場合、数年前に夫と死別し、自分の収入はある程度あり(所得500万円以下)毎年確定申告していたが、寡婦控除をしていなかった、結果、数年間ずっと還付額が過少になっていた・・というケースが見られます。
“寡婦・ひとり親控除”は該当するかがわかりにくく、何となく自分はちがうと思い込んでorそもそもそんな控除があるとは知らないで、適用漏れになっていることもあるようです。
参照フローチャート
他にも障害者控除などについても思い込みでの適用漏れがあるかもしれません。
参照ブログ

悩みは相談すればOK

申告会場では多くの方が「自分は税金のことをわかっていなくて」とか「自分が知らないのが悪いのだが」などと前置きしてから話をされるのですが、普段なじみのない世界について疑問や悩みがあるのはフツーの事だと思われます。

過去の申告に誤りがあっても大丈夫、5年間は遡ってやり直すこともできたりします。
何か不安な時は、税理士等に相談するとよいでしょう。








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